Part12からの続きです。
SESでよく問題になる雇用関係は「偽装請負」と「多重派遣」の強力ツートップですね。
偽装請負 ~基本編~
まずは偽装請負についてわかりやすいように図にしてみました。
正当な請負契約
偽装請負
図1と図2で違う点は、
注文者が労働者に対しての指揮命令の有無ですね。
注文者が労働者に対して直接指示を出せるようにするためには労働者派遣契約になっていないといけません。
筆者の場合はさらに複雑な関係によって混乱の極みに突き落とされました。
偽装請負 ~応用編~
協力会社
IT業界では同じプロジェクトに複数の協力会社(Business Partner/BP/ビジネスパートナー )が下請けとして入っているケースがよくあります。
ここの常駐先では3社(もしかしたら4社)が業務請負で常駐していました。
図3のように仮にV社、X社、Y社とします。
- V社:一番長く常駐していた協力会社
- X社:自社。一番新しい協力会社
- Y社:2番目に長く常駐していた協力会社
常駐している期間の長さによってどうしても力関係が発生してしまい、V社>Y社>X社の関係となっていました。(本来は協力会社なので同等な関係であるべき)
そして、なぜかV社はプロジェクトの実質的な指揮権を握っており、結果として常駐先とV社の両方から指示が来る二重系統になっていたのです。
会社間の指揮系統
図4のように
・パターン①:”常駐先→X社/Y社への直接指示”
・パターン②:”常駐先→V社経由→X社/Y社”
の2つのパターンで指示が飛んできてました。
業務請負である以上、言うまでもなく常駐先から指示を出すことはできないのは当然ですが、
”なぜか一介の協力会社が他の協力会社に指示を出す”
というまったくもって理解不能な状況でした。
さらに労働者視点から見るともっとおかしい状況に気が付きます。
労働者視点
労働者視点から見ると図5の④の系統が発生してしまいます。
全く雇用関係も何もない赤の他人の指示を受けるという訳の分からない状況になってしまってますね。
まさに
”お前は誰だ?”
ですよね(笑)
まとめ
筆者の場合は偽装請負の複合バージョンともいえる労働環境でした。
当時は雇用関係に関する知識もなく、ただ単に”お金が稼げればいいや”の気持ちで仕事をしていたことを後悔しています。
残念なことにIT業界(特にSES)では意図的なものや認識不足も含めて法律違反がまかり通ってしまっている現状があります。
派遣契約であっても多重派遣になっている場合もあります。
業界から去ってしまった以上、こうやって外部から警鐘を鳴らして参考にしていただける方がいらっしゃれば幸いです。
長々まとまりのない文章で申し訳ございません。
最後までお読みいただきましてありがとうございます。
IT業界履歴シリーズはまだまだ続きます!